声明「辺野古基地建設の即時中止を要請する」2015/04/03

4月1日、これは冗談ではなく、「普天間・辺野古問題を考える会」(代表:宮本憲一)で緊急声明「辺野古米軍基地建設に向けた埋め立て工事の即時中止を要請する!」を出し、参議院議員会館で記者発表を行いました。

いつも、沖縄に関するこの種の会見は集まりがよいとは言えませんが、やはり安倍政権下で国の軍事化が進むいまは関心が高いようで、60人ばかりのメディア関係者が集まりました。会見の模様は、琉球新報、東京新聞、赤旗、そして今回は朝日も写真入りで報じました。

しかし、テレビは来ておらず、ウェブ・メディアのIWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)とにこにこ動画は会見を同時配信をしてくれました。IWJのサイトでは、記者発表の冒頭(声明の読み上げ)が公開されており、会員登録すれば約1時間半の全容を見ることができます。

「声明」は日本政府に送付されましたが、賛同署名を追加提出するため、以下のサイトで賛同を募っています。そこに「声明」の全文が掲載されています。よろしくご協力ください。http://chn.ge/1aiGN6r

 今日のFacebookに上げた文言を貼り付けておきます。

「安倍・菅政府は「正月のうまい餅」のために沖縄を売り渡した仲井真前知事の側近を外務省参与に取り込むという手に出た。沖縄人を使って沖縄の反抗を潰そうとする、昔からの謀略や植民地支配の手口だ。菅たちの認める沖縄とは、仲井真などに代表される「最後はカネでしょう」で済ませる沖縄であり、翁長知事を選んで支持するような沖縄ではないのだ。

いままた政府は、嘉手納以南の小基地返還をエサに切り崩しを図ろうとしている。県民の民意を背にした翁長知事にとって、これからますます厳しい闘いが続く。何とかこれを本土から少しでも支えたい。」

 昨日から始まった「緊急声明」に対する賛同署名は1日ですでに3500人を超えました。さらにこの環を広げてゆきたいと考えています。第一次〆切は4月20日です。拡散、賛同によろしくご協力ください。

関連サイトは以下です。
・琉球新報:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241343-storytopic-271.html
・朝日新聞デジタル:http://www.asahi.com/articles/ASH415GMYH41UTIL020.html
・しんぶん赤旗:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-04-02/2015040201_03_1.html
・IWJ(動画):http://iwj.co.jp/wj/open/archives/241133

オバマの米国とキューバの「和解」2015/04/13

 キューバのことをよく見ると、アメリカ(合州国)がどういう国かはよくわかる。フロリダ半島からわずか200キロ、ヘリでも1時間で届く距離にある。ましてや戦闘機なら…。ともかく、簡単にいえば東京-静岡間だ。広さは日本の3分の1弱。

 キューバは19世紀末の米西戦争の後、米軍保護下で独立したが、砂糖産業を米資本が独占し、それと結びついた富裕層や軍部が支配する国になり、フィデル・カストロがチェ・ゲバラ等と革命を起こしたときは、アメリカの保護を受けるバティスタ将軍の軍事独裁政権下だった。

 カリブ海の真ん中に、合州国の喉元に突き付けられた刃のような社会主義国家の出現を、冷戦下のアメリカはあらゆる手段を使って潰そうとした(旧支配層亡命キューバ人の軍事訓練、上陸作戦の繰り返し、R・ケネディによるカストロ暗殺計画等)。それに対してキューバはソ連のミサイル基地を作り、それがいわゆる「キューバ危機」(62年10月)を引き起こす。冷戦下の最も緊迫した核戦争の危機だった。J・F・ケネディ暗殺事件が起こるのは翌62年11月だった。

 それから半世紀余、90年には冷戦の崩壊もあったがここだけは冷戦が続き、キューバはアメリカから経済封鎖を受けるだけでなく、「独裁国家」と呼ばれ「テロ支援国家」にも指定されてきた。だが、CIAが関与するカストロ暗殺計画(つまり国家元首殺害)は50回近くあったようだが、キューバがアメリカ大統領殺害を計画したとは聞かない(ケネディ暗殺に関してはオズワルドとキューバ諜報機関との関係は取り沙汰されたが)。いったいどちらが「テロ国家」なのかは明らかだが、強国が言うことが世界に流通する。

 そのアメリカの公然・隠然の圧力につねにさらされながら、この社会主義小国は60年以上にわたって持ちこたえてきた。アメリカ(それに利害を共有する西側諸国)の言うように独裁者が国内を押さえつけるだけだったら、この国はとうの昔にひっくり返っていただろう。もちろん当初は革命政権を維持して社会改造をするため、そして何よりアメリカの侵攻から国を守るため、厳しい体制が必要だっただろう。だが、それは民衆に支えられてこそ維持できる。

 アメリカの至近にありながら、その影響から切り離されて国作り社会作りをするということは、たいへんな困難であると同時に、大きな幸運でもあったはずだ。2000年代に入ってそんなキューバの姿勢を範とするチャベス政権がベネズエラにできると、その行き方は長年合州国の軍事と経済にいいようにされてきたラテン・アメリカ諸国にも「自立」の意志を浸透させていった。そのため米州機構でも両国が主導権をもつようになり、逆に合州国が孤立するという状況さえ生まれた(2011年には、合州国とカナダを排除してキューバを迎えるラテンアメリカ・カリブ諸国共同体が発足した)。もはやラテンアメリカを「米国の裏庭」として支配し続ける時代は終わったのである。

 そんな状況の大きな変化のなかで、半世紀以上前の「キューバ封鎖」をなお続けることは、アメリカの政策の硬直とグロテスクさを示すものでしかない。オバマ大統領は残り任期が2年を切り、もはや選挙を配慮しなくてよい段階に入ると、まずこの対キューバ関係の変更に乗り出した。ただし、あくまでアメリカ式に「民主化を求め、自由の拡大を目指す」と説明するが、翻訳すれば「資本の自由を要求し、市場の"民主主義"に呑み込んで、キューバを"解放"する」ということだ。

 それで呑み込まれるかどうかはキューバ国民の選択である(カリブ海のウクライナになるのかどうかと言い換えてもよい)。オバマは抵抗の強い米国内を説得しなければならないだろうが、はたから見ていると、アメリカの本気度を示すためにまずなすべきは、半永久的に「租借」しているグアンタナモ基地の返還だろう。

 オバマは去年末からまずキューバとの関係改善の意志を発表し、CIAの拷問の事実を公表し、さらに去年のウクライナの政変(西側がこぞってあと押ししたキエフの政変)にCIAが関与していたことを認めた。明かにオバマはアメリカ外交における軍事の比重を軽減しようとしている。だがこれはネオコンと呼ばれるアメリカの軍事強硬派には受け入れがたいことだろう。

 けれどもともかく、このまま進めばアメリカ外交の大きな転換点になる(沖縄の辺野古新基地建設問題を思わせる)。

 そんな状況のなかで、日本の安倍政権は「わが軍」をアメリカに差し出そうとしている。というのは、「集団的自衛権」閣議決定を受けていま進められている「日米ガイドライン」改訂で謳われる日米同盟強化とは、自衛隊の米軍への更なる一体化であり、日本軍が米軍の一部として「地理的制約」もなくして動き、米軍の肩代わりをするということだからだ(それでも安倍にとっては、自分の指令で動く「日本軍」をもつことになる)。オバマのアメリカがそれをどう「利用」しようとしているのかも考えてみる必要がある。
 
 この件に関してとくに付言しておきたいのは、ベネズエラのチャベスに関する報道についても同じだが、ニュースとして報道するときのナレーション(語り)の枠組みが、いつもすでにあらかじめアメリカ側の見方を下敷きにしていることだ。たとえば、すぐに枕に「反米」という言葉がつく。「反米チャベス」とか「反米キューバ」とか。だが、誰もアメリカ大統領について「反ベネズエラ」とは言わない。「反米」というレッテルはアメリカが自分に盾突く者につけるレッテルだ。このレッテルをそのまま使うのは、当人がすでにアメリカに同調しているという印である。そしてアメリカに対立することを頭からネガティヴだとみなし(考えているのではなく、考えてもいない)、アメリカの傘の下に身を置いて他を見下そうとする岡っ引き根性である。実際の事態を知ろうと思ったら、そんなニュースや論調にはまず気を付けなければならない。

(たとえば「毎日」も、キューバが他のラ米諸国を尻目にアメリカに擦り寄ったような書き方がしてあるけれど、それもアメリカの付け込みどころで、締め出しによってではなくキューバ取り込みでラ米の結束が乱れることも期待している。)

*最後の点、つまりメデアや国際関係論の言説のバイアスに関しては、「欧米メディアはなぜチャベスを嫌うのか?」(http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/p/gsl/2013/03/post_191.html)などを参照されたい。

ベネズエラはアメリカの「脅威」か?2015/04/16

 アメリカとキューバの「歴史的復交」の陰で、とんでもないことが起こっていた。去る3月9日、バラク・オバマは「ベネズエラに関する国家的非常事態の宣言」を大統領令として発布したのだ。

 それによると、「政府による人権侵害、政敵への迫害、報道の自由の抑圧、暴力や人権侵害による反政府運動の鎮圧、恣意的逮捕・拘束、さらには著しい汚職の蔓延といったベネズエラの現状は、合州国の安全保障および外交政策上の甚大な脅威であると判断し、かかる脅威に対処するために国家的非常事態を宣言するとともに、以下の措置を命じる。」(措置の内容は主要人物の資産凍結、入国禁止など)

 「合州国の安保・外交上の重大な脅威…」、ナンジャ、これは、と思うが、これはほとんどCIAによるクーデター工作のゴーサインである。ここに挙げられた「悪事」はチャベス以前の親米富裕層政権が行なってきたことであり、一昨年急速に進行するガンで亡くなったチャベス大統領の路線を引き継ぎ、民衆の圧倒的支持のもとに社会改革を進める現在のベネズエラ政権が倒されて親米政権ができた場合に起こるような事柄である。たちの悪いヤクザの言いがかり以外の何ものでもない。

 ベネズエラでは一九九九年にチャベス政権が成立し、ボリバル革命と命名された社会改革が進められようとするなか、二〇〇二年4月、それまで権力を握っていた富裕層をバックにCIAの支援を受けた軍部によるクーデターが起こったが、バリオと呼ばれる貧民街から繰り出して首都カラカスを埋め「チャベスを返せ」と叫ぶ大群衆の前に、このクーデターは失敗した。

 ベネズエラは一国としては最大規模の石油資源をもっており、今でもアメリカの輸入量の15バーセント近くを供給している。アメリカはその利権を梃子に富裕層と手を組んでベネズエラを牛耳ってきたのだが(大産油国であるベネズエラを配下におけば、ОPECの価格支配に対抗できる等々)、チャベスはそれを「国民の富」にして社会の変革に用いようとしたのだ。それをアメリカは「自由の敵」たる「専制的な社会主義」だと言い、隙あらばかつてのチリのアジェンデ政権のときのように、軍部他あらゆる手段を使って転覆しようとしてきた。だが、最初のクーデター失敗のあと、チャベス政権は一〇年以上揺るがなかった。その果てのチャベスの急激なガンによる病死である。

 偉大な指導者を欠いたベネズエラがどうなるか、一部の人びとは(ほとんどは無関心だから)不安を抱えながら見守っていたが、生前のチャベスが言っていたように、彼がいなくなれば必ず必要な指導者が何人も現れる。そして主を欠いた大統領選で、時節到来とばかり勢いに乗る富裕層の候補を下して、チャベスの側近だったニコラス・マドゥーロが当選し、チャベスの政策は引き継がれている。

 それから約2年、シェール・ガス開発で石油価格をコントロールしようとしたアメリカに対し、サウジ・アラビア等産油国が超安価供給でシェール・ガスを採算割れに追い込もうと仕掛けを続ける中で、アメリカにはもうひとつカードが必要になったのだろう、上記の「ベネズエラに関する国家的非常事態の宣言」が出てきた。いまベネズエラの現政権が安泰であることは、アメリカの「存立危機事態」(そう、自民・公明が合意した集団的自衛権の要件はこんなふうに使える)だとでも言うかのように、オバマは「国家的非常事態」を発令したのである。

 アメリカがベネズエラの隣国コロンビアの国境地帯に戦闘機を配備し(コロンビアは日本のように米軍基地を提供する親米国だ)、工作員を潜り込ませて社会混乱を誘発させるとしても、ベネズエラがアメリカに対して同じようなことをして合州国を「存立危機事態」に陥れているという話はまったく聞かないし、そんなことは想定できない。それでも「自由の国」アメリカは、自国の影響力が「自由」に行使できないと、「自由の危機」だと騒ぎ立てる。

 キューバとの国交回復を準備するこの時期に、ベネズエラに対してこのような強硬姿勢をとることは、カストロとチャベスの協力でラテン・アメリカに結束を生み出した「ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体」に亀裂を持ち込もうとする意図を含んでいる。そうしてこの際各個撃破で、ラテン・アメリカを分裂させ、再び「合州衆の裏庭」にしようというのだろう。やはりオバマも「合州国の大統領」であることに変わりはない。

 一方的な(これを「ユニラテラル」という)この合州国大統領の宣言は、西側諸国とそのメディアにはそのまま受け入れられるため、ベネズエラの現政権にとっては逆に脅威になる。ベネズエラはこれに対して、「ベネズエラは脅威ではなく希望だ!」という国際的なキャンペーンを始めた。圧倒的な拡声器の規模の違いで、どれだけ効果をもつかわからないが、とにかく事実を知ることから始めて、この「音楽の国ベネズエラ」のキャンペーンを支援したい。

 おりしも、ウーゴ・チャベスがアメリカ大統領に就任したバラク・オバマに「勉強してくれよ!」と言いたげに贈った『収奪された大地、ラテン・アメリカ五百年』の著者エドゥアルド・ガレアーノが74才で亡くなった(4月13日)。チャベスのような読書家ではないオバマは、この本を読まなかったようだが、ドス・パソスやガルシア・マルケスと並び称されるこの作家・ジャーナリストの不朽の3部作『火の記憶』を再び手に取ってこの稀代の作家を偲ぶことにしよう。

*在日ベネズエラ大使館 http://www.venezuela.or.jp/content/view/69/134/ にパンフレット、署名用紙あり。
*オリバー・ストーンの思いのこもった『わが友ウーゴ』(2014)を観る機会があったら是非観られたい。
*2002年の反チャベス・クーデターについてはアイルランドのテレビ局がまとめたビデオ記録がある。BS-NHKで放送されたものがYoutubeにアップされている。①~⑤ https://www.youtube.com/watch?v=aZXAzhm2zJ8

安倍政権はどう最悪なのか?「粛々と」憲法無視2015/04/18

 現下の安倍政権が最悪であるのは、「戦後レジーム」の解消を目ざして国の軍事化を進めているからではない。

 安倍等の考えとは違って「戦後レジーム」とはじつは、戦前からの勢力が日米安保条約のもとに「対米従属」を不動の条件として統治する体制のことであり、それは冷戦を超えて更新され、今日まで続いている。たしかにそこから脱却しないかぎり日本の「戦後」に終わりはないが(永続的隷従?)、現政権がこれまでのどの政権とも違って「悪質」の底板を踏み抜いているのは、目的追及のためのその手法にある。

 戦闘に参加することを「積極的平和主義」と呼び、なし崩しにあらゆる制約を撤廃することを「切れ目のない安全保障」と言い換える、電通ながれの「口先三寸」手法のことではない。安倍政権が最悪なのは、憲法を無視した方針を採っても、憲法に反する法律を作っても、それを妨げる制度的仕組みはこの国にはないということに気付き、「柵越え」を抜けぬけとやっている点にある。

 そのことを彼らは「粛々と」と言う(この表現は伊達ではない)。行政府はその気になれば憲法を無視できる、空文化できるということを、文字どおり実践するそのさまを「粛々と」と表現しているのだ。カール・シュミットは法の支配が中断される「例外状態」を語ったが、そんな宣言をしなくとも、黙っていてもできる、それが行政府の力なのだということを、この政権は地で行っている。
 
 特定秘密保護法は、基本的人権を謳い行政府の専横を戒めた憲法に違反している。集団的自衛権容認も明らかに憲法違反である(だから歴代政権も、中曽根、小泉を含めてここには踏み込めなかった)。そしてこれを実質化するためいま準備されている安保諸法制も当然憲法違反になる。
 
 四年後の今日も事故の現況さえつかめない(溶け落ちた核燃料がどうなっているのかも不明で、汚染水がどう洩れているのかも分からない)フクシマの核事故への対応はなおざりにし、「笑う人には放射能は来ない」と公言する専門医に被災地の診断指導を任せ、許容被曝の限度を嵩上げして住民の帰還を促し、メディアだけを「コントロール下」においてフクシマから目を背けさせ、東京オリンピックでそれを忘れさせるばかりか、懲りずに核発電の再稼働を進め、あげくに核プラントの輸出に血道をあげるのも、国民の生存権を蔑ろにしたものだ。

 秘密条項で国民の資産や食の安全を明けわたすTPPももちろん憲法違反だ。
 
 そうして、沖縄の度重なる民意の表明を「粛々と」押し潰して辺野古の新基地建設を進めるこの政権は、すでにこの国には憲法などないかのように(いや、あっても都合のよいときだけ利用する「積極的平和主義」のお飾り)振舞っている。

 さらに最近では露骨にメディアに圧力をかけ(もはやそのことを隠さない)、情報統制を政権の権利であるかのように行なっている。これはNHK会長や内閣法制局長の首のすげ替えで、「できる」と味を占めたのだ。その前には日銀総裁の「白から黒への」すげ替えもやった。その「無理筋」がすべて通っている。行政権は何でもできる(だから、次は時に政権に盾を衝く司法がねらわれる)。

 さすがにここまで無法を平気で押し通した内閣は前例がない。その憲法無視を支えているのは、国会を圧倒的に制した自民・公明の巨大与党の議席である(公明党はこれまで全部を呑んで、違憲路線を突っ走る安倍自民党にくっついており、創価学会・公明党にはもはや連立を離脱するといった判断力はなくなっているようだ――ただし沖縄の公明党は別だが)。このままでは、後の歴史は(それが残っているとして)現在の状況に関して「それでも日本人は"戦争"を選んだ」(加藤陽子)と書くことになるだろう。
 
 すでに他所に書いたことだが、「国破れて山河在り」とかつては言った。だから「戦後」があった。だが、今度は「残る山河」があるかどうかはわからない。戦争の状況はゼロ戦や戦艦大和の時代とはまったく違うし、「わが軍」はまず「テロとの戦争」という中東の砂漠のアリ地獄のようなるつぼにはまることになるのだ。

 そしてただでさえ、地中に落ちた核燃料の再臨界が危ぶまれており、核汚染は放置すればさらに「山河」を覆って広がる恐れもある。近い敵との戦争なら、原発は恰好の攻撃目標になる。それでなくとも、いま進められているTPPで日本の田畑の作物はモンサントの遺伝子変換作物で汚染され尽し、安倍政権が放出しようとしているゆう貯・年金基金等はアメリカの金融市場に吸い尽され、その資金で日本の主だった良地は外国資本に買いとられてしまうかもしれない。

 いま「戦争への道」は、さまざまな意味で「亡国への道」でしかないだろう。「歴史の岐路」というより、いま、この国の奈落への道が亡者たちによって開かれようとしている。
 
☆次回は「安倍政権はなぜ『売国行為』『亡国の道』に走るのか?」、次いで「『司法』に要注意!」

「辺野古声明」賛同署名を内閣府に提出2015/04/28

 4月1日に記者発表をした「普天間・辺野古問題を考える会」の声明に対する賛同署名(約8000人分)を、昨日(4月27日)内閣府に提出しました。安倍首相は「ワシントン詣で」で不在ですが、内閣官房内閣総務室の調査役S氏が対応し、このために上京した代表の宮本憲一さん、世話人の寺西俊一さん(一ツ橋大)、西川潤さん(早稲田大)、千葉真さん(ICU)、それにわたしの5人が、それぞれに「要請」の意味を強調して署名とコメント集を提出しました。

 S氏はメモを取りながら、必ず首相に伝えると約束してくれました。もちろん、そのことに期待するわけではありませんが、少なくともこうして内閣に直接手渡すことは、内向きで外を見ようとしない政府やその周辺に、外部では強い批判や危惧があるのだということを直に突きつける、という機会になったのではないかと思います。だからわたしも、安倍政権が沖縄の現況をまったく理解せず「国家分裂の危機」を招来していることを憂うる「憂国の士」として振舞ってきました。

 このことは沖縄タイムズが伝えています。http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=113483
(追加:琉球新報も報じています。http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-242332-storytopic-3.html

 「普天間・辺野古問題を考える会」にはホームページ等がありませんので、とりあえずここで報告させていただきます。また、宮本さん、寺西さんはじめ、メンバーの重なっている日本環境会議のホームページに報告があがる予定です。

 さて、自国の国会に諮るより前に、安倍首相は安保法制もTPPもワシントンで決めて、「朝貢」の貢物にするという「属国」ぶりを満天下に晒しています(中国に朝貢するのは死んでもいやだけれど、アメリカなら喜んで「自発的」に、というのが実は日本の「戦後レジーム」なのですが)。今日はサンフランシスコ条約発効の日、安倍の言う「主権回復の日」です。そして沖縄にとっては「屈辱の日」。しかし、どちらが日本の実情を表現しているのかは明らかでしょう。「自発的に隷従する」と、それが「主権回復」になり、隷従を拒む沖縄をブルドーザーにかけるというわけです。

 そんな話も含めて、昨日の夜は岩上安身さんのIWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)でインタヴューを受けてきました。延々3時間近く。あまりこういうのはやりたくなかったのですが(テレビとかウェブというのが苦手)、IWJがフォローしたいくつかのイヴェントで、岩上さんのツボにはまったようで…。

 ただし、話が多岐にわたってとっちらかってしまった感なきにしもあらず。テーマをひとつかふたつに絞ったら、それを軸にいろいろ話を広げることができるということです、ともかく、近日中に多少整理したものが公開されるのではないかと思います。http://iwj.co.jp/