『越境広場』第4号、目取真俊の闘い2017/12/18

 言うまでもなく沖縄は、日米安保を盾にした日本政府、とりわけ近年の安倍官邸権力による傲岸無比の扱いによって日々無情に押しひしがれ、翁長知事が行政を担う県庁から、無名の人びとが座り込みを続ける辺野古その他の現場に至るまで、あらゆるレベルで繰り返され続けられる抗議や抵抗をせせら笑うかのように、政府は相次ぐ事故を引き起こす米軍機にはほとんど無条件で空を明け渡し、機動隊が座り込みを排除するキャンプシュワッブでは、日々ダンプカーで運び込まれる大量の砂利で大浦湾が埋立てられている。

 最近では、米兵の犯罪が起こり、オスプレイ他のヘリ事故が起こるたびに、やり場のない怒りの抗議集会が開かれると、それを中国のスパイだとか、金をもらっているとかいった恥知らずの誹謗中傷が公然と行われ、街宣車の大音響で集会を妨害することさえ横行している。上からは各種行政機関を使った問答無用の露骨な権力行使(そして政府、最高責任者はけっして顔を出さない)、下からはゲス根性の汚水掻きまわして撥ね飛ばすドブネズミたちの嫌がらせ、そして違法として逮捕されるのは体一つで座り込みする人たちなのだ。法は強権遂行の道具になり、無法状態を囲い込んでいる。何より権力が無法者たちの手にあるからだ。

 年々更新されるそんな状況の切迫のなかで、沖縄に生きることは日々この事態に抗い闘うことだ。その抗いの軸をたしかめ、変わらぬ構造を射貫くべく、思念や行動を言葉にすべく刊行され続けているのが思想誌『越境広場』だ。

 この冬は第4号、目取真俊の特集だ。巻頭の仲里効×目取真俊のクロス・トーク「行動すること、書くことの磁場」。仲里の歴史構造的批評意識と、目取真の身体感覚的直言とが、妥協なくぶつかり合い相互のエッジを際立たせる。何もできないまま考えあぐねるしかない者の臓腑をえぐる圧巻の20ページ。ぜひ手に取ってみられたい。豊里友行の写真がまたいい。

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