「ガザ殲滅戦」の最終段階_国連機関UNWARの締出し2024/11/02

 10月29日、イスラエル国会はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のイスラエル国内および占領地東エルサレムでの活動を3カ月間禁止する法案を圧倒的多数で可決した。
 イスラエルが言う「国内」とは、国際的にバレスチナ自治区とされているガザ地区とヨルダン川西岸を含む(国連も認定)。

 今、ガザ地区ではすでに1年以上イスラエルによって生活インフラを遮断され、度重なる猛爆撃・地上軍進攻で、学校・病院も破壊され、5万人近くが死に、埋葬もできない(墓地も破壊された――米国の供給する2000ボンド爆弾でできるクレーターがそのまま墓穴だ)。その中で180万人近くが日々飢餓線上にいるが、その救援活動を担っているのがUNRWAである(他の支援組織の活動も国連機関であるUNRWAがイスラエルとの間――検問通過などを仲介をする)。

 UNRWAは国際社会の意志でバレスチナ難民救済のためにすでに半世紀以上活動している。イスラエル国家が生み出した難民の救済だとしたら、本来はイスラエルがすべき事業だ。
 そのUNRWAの活動を禁止するとはどういうことか?具体的にはあらゆる救援の道を断って、すでに1年以上戦火と飢餓に苦しむ200万のガザ住民(壁で封鎖され検問所も閉ざされて外部に逃げることもできない)を、このまま瓦礫の荒野の中で死なせろ、ということだ。

 ただでさえガザは「天井のない強制収容所」だと言われてきた。絶望的な状況の中で、子供たちさえイスラエル兵に石を投げるようになる。するとイスラエルは反抗奴隷を制裁するかのように、封鎖を強化しアメリカがふんだんに供給する爆弾の雨霰を降らすのだ。「イスラエルの不朽の栄光」の名のもとに。
 これが国際人道法を蹂躙する独善国家の暴虐である。遠回しにそれを指摘する国連関係者に、イスラエルは繰り返し辞任を要求する。アメリカはそれを黙認支援する(そして国連改革が必要だと主張する――イスラエル・アメリカが国際社会の基準となるように)。

 イスラエルによる今回の国連支援機関の締出しは、この「例外国家」の傲慢な倒錯を映し出している。これはイスラエルの国内法だ。その国内法は国際法(国際社会)の要請を「禁止」する。そしてその効果は国内パレスチナ人(難民)の集団殺戮(野垂れ死に)、いわゆる「民族浄化」である。
 それをアメリカは後押ししている(一年で二兆五千億円分の砲弾・巨大爆弾・誘導ミサイル供給――両国の首脳が誰であれ変わらない、それが両国国家の姿勢だ)。

 ともかく、イスラエルの「ガザ殲滅戦」は最終段階に入った。世界は200万パレスチナ人の強制的な飢餓野垂れ死にを目前にしているのである。それが「ハルマゲドン」後に訪れるとされる「ユダヤ・キリスト教のパラダイス」だ――イスラエルの示す「10年後のガザ復興計画」を見よ。

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