もう見たくない俗悪ドラマ「メイク・にっぽん・グレート・アゲイン」2017/06/05

 共謀罪国会の成行きを見ていると、まるでここ数年、いつまでも終わらない粗悪なテレビ・ドラマを見せられているようだと思う。見ているだけでなく、現実に付き合わされている。

 「戦後レジーム脱却」の安倍政権物、初めは一回で終わりそうなネタだったが、終わりそうになると新手の混乱が出てきて、さらに大きな洪水を呼び起こす。しかしそれでもついに大惨事が…と思いきや、次々に災厄を国民に浴びせかけ、悪事の張本人たちはそのつど新手のカオスを引き起こしてそこに逃げ込む。その繰り返しで、いつまでたっても「一巻の終り」が来ないのだ。

 ドラマが終わらない。悪者たちは官僚を抱え込み「忖度」で協力させ、邪魔だてしそうな者は、まずは更迭、首のすげ替え、そして左遷、組織的締付け、そうして周囲を縛って固め、そのうえメディアは要を篭絡して、不都合な情報は流させない。真相が広まらないためにフェイク・ニュースを製造する機関まで作ってある。

 だから、政権がピンチに陥っても、大ピンチなはずでも、蛸の巣のように煙幕を張って、必ずごまかして居直り、新手の攻撃を仕組んでくる。さすがにもうこれでダメだろう、逃げられないだろうと思っても、追いつめられても白を切り、不利な情報はフェイクだと言って押し退け、追いつめるお縄はあらかじめ溶かしてあって、目晦ましをかまして次の悪事に走り込む。

 そのため、これで終了という筋立てがいっこうにまとまらず、番組はしつこくいつまでも続いて、いつしか数年にわたる大河サスペンス・ドラマになってしまった。そういう日本を、悪党どもは「イダイ」だと思っているようだ。たしかに、握った権力は自分たちのためにますます強固になるし、どんな障害も警察や司法を抱え込んで取締り、仲間のためにはもみ消しもできる。仲間同士で国有資産はお手盛り放題、居直ればもはやそれを止める手だては国民にはないと見切っている。

 「イダイ」な権力だ。民主主義を乗っ取ってワル仲間の僭主政治、基本的人権など厄介払い、国民は国家を牛耳る僭主たちになついて飼ってもらうか、さもなくば使い潰される奴隷であればいい。怒ったり、不平をもらしたりする不埒者は共謀罪で黙らせてやる。こうしてドラマに終わりはなくなるが、皆飽きて視聴率落ちるぞ、テレビ局! この悪党たち、自分たちの権力をアメリカに承認してもらうため国ごと貢いで守ってもらう。そしてたらふく武器を買って大好きな戦争ごっこ、俺たちは強いんだゾー!。

 いつ終わるのかこの低俗ドラマ、もうさすがに見たくない。最近変えたそのタイトルは「メイク・にっぽん・グレート・アゲイン!」。いい加減やめてくれ~!(制作/配給:日本のプチ・トランプ)