トランプを制することができるのは国際法ではなく合州国憲法 ― 2026/03/05
3月4日にトランプは前日の予告どおりまたイランに爆撃の「大波」を被らせた。
最初にハメネイ師とその家族、会議に集まった軍幹部40人を一挙に爆殺し(イスラエルの情報提供で、ついでに女学校も爆撃)、それでもすぐに反撃があったから5日後には今度は「指導者後継選び」の会議を目がけて大空爆(B52も参加)、要するにイランの統治指導層とその候補らを文字どおり「殲滅」。これでイラン(人口9千万超、テヘラン900万)の人びとが「大混乱」に陥らない方がおかしい。トランプはその「始末」をどうつけるつもりなのか?(プランがないとは言われている)。
だがトランプは「鎮圧・制圧」のための地上軍は送れない。去年6月に核施設(だけか?)破壊でやったように「外科的介入」だけですむと思っていたのだ(トランプもヘグゼスも戦争はシロウト)。地上軍派遣となれば、正真正銘の「戦争」であり、議会に諮る必要がある。議会を超えて「開戦」したということになれば、ただちに大統領越権の「弾劾」が始まることになるだろう(始まらなかったら、アメリカはトランプをアンタッチャブルな主人と認めたことになる)。
トランプにとっては国連も国際法も何ものでもない(だから国連安保理会合の議長にメラニアを送り込んだりする)。アメリカは「例外的」最強国なのだから、弱者のための国際法など守る必要もない(じっさいこの間、対ベネズエラ、対キューバでもそう振舞ってきた)。だがアメリカの「大統領」(職務)である以上、合州国の憲法や法律には従わなければならないのだ(憲法はそのためにある)。
アメリカでは宣戦布告の権利は議会にある。緊急だったとしてもすみやかに事後承認をえなければならない。わずか5日でこんな惨状(敵の指導部――つまり交渉相手――殲滅、イランの反撃で戦争周辺に拡大、エネルギー地帯で世界経済大混乱、そしてイランは踏みにじられる…)を生み出した「軍事行動」(交渉途中で不意打ち攻撃)を議会が認め、トランプの大統領としての行動を追認したら、そのときには世界は、アメリカが最大の「無法国家」とみなすだろう。そして国際法秩序・国連体制は事実上瓦解する。*逆にいえば、今、世界の安定のために国際法秩序を必要とし、支えようとしているのは事実上「非米・非西側」の国々なのだ。
だが最近、「トランプ関税」も「その権限なし」と連邦最高裁に判定され、トランプは経済的威圧のために他の手段を探らざるをえなくなった。この「戦争」に関しても、「越権」ないし「権限逸脱」で国家に損害を与えたということになれば、トランプは「弾劾」されることだろう(前の任期末での「議事堂乱入使嗾」に続いて)。ただ、そのときアメリカ国家が大統領の不法行為によってイランとイランの人びとに引き起こした「甚大な損害」に対し、どのような「保証」をできるのかはまた大問題だが、アメリカはそれを果たさなければ、金輪際「国際社会のリーダー」などとは言えなくなるだろう。
もちろん、今回の「イラン破壊作戦」が不正行為だったなどということは、イスラエルが(アメリカ議会にも)認めさせないだろう。アメリカが「海外派兵して戦争するなどバカバカしい浪費だ」と言っていた(そしてノーベル平和賞をよこせと言っていた)トランプを唆して、この「破壊作戦」をやらせたのはネタニヤフのイスラエルであって(証拠も挙がっている)、何としてでもイランを潰す(イランの存在自体が「存立危機事態」)というのは、けっして「ふつうの国」にはなれない選民国家イスラエルの執念だ。その要請をトランプはかわすことはできないだろう(「エプスタインの罠」も関係している)。
唯一のよき兆候は、アメリカ国際法学会の次期会長(4月就任)が、すでにベネズエラ・ハイテク軍事強盗・大統領拉致事件のときに、このトランプ政権の行為があからさまな国際法違反だと表明している。そしてこの2日には、同学会現会長が今回のイラン攻撃がはっきりと国際法違反だと表明したことである。アメリカ大統領の国際法違反(無視・蹂躙)を、国際社会(国連)は裁くことができない――強者の力が事実を作る(アメリカ例外主義)というのだから――が、トランプも合州国の法には従わねばならないのである(従わねばクーデターになる)。
・ついでに言っておけば、フランスのマクロン大統領はバカである。この事態を受けて(あるいはウクライナ問題も重ねて)、ヨーロッパの「抑止力」のためにフランスの核弾頭を増やすという。そして今度は地中海に原子力空母を派遣するという。
「抑止力」とは「核の脅し」で「敵」が攻撃を控えるという都合のよい妄想だが、そんなものに意味がないというのを示したのが「九・一一」だったし、ロシアもNATOの「抑止力」に挑戦してウクライナに侵攻した。相手の「核」を「使わせない」という想定の下で、やたらに戦費をつぎ込むだけが戦争国家の妄執である。だが、軍需産業というのは、人を殺し街や村を破壊してそれだけのために「消費」される製品作りであり、戦争がないと維持できない。そしてその製品は戦争で人間社会を消耗させるためにしか役立たないのだ。それが「役に立つ」と思わせ、人間社会の命運を無視して「経済システム」を「成長」させるという妄想を支えるのが「抑止力」理論だ。
フランスは、いま地中海に原子力空母を派遣して何になるのか?アメリカとイスラエルを「抑止する」つもりか?まさか、そんなことはありえない。だとしたらイランの混乱した「反撃」を制圧するためか?だったら初めからそう言えばいい。この先の中東利権確保のためだと(イギリスでさえ今度の米イの戦争には加わらないと言っているし、スペインははっきり米イの戦争への加担を拒否した)。
※アメリカにおいて宣戦布告の権利が議会(連邦議会)に属することは、アメリカ合衆国憲法 第1条 第8節(Article I, Section 8, Clause 11)で明確に規定されている。
最初にハメネイ師とその家族、会議に集まった軍幹部40人を一挙に爆殺し(イスラエルの情報提供で、ついでに女学校も爆撃)、それでもすぐに反撃があったから5日後には今度は「指導者後継選び」の会議を目がけて大空爆(B52も参加)、要するにイランの統治指導層とその候補らを文字どおり「殲滅」。これでイラン(人口9千万超、テヘラン900万)の人びとが「大混乱」に陥らない方がおかしい。トランプはその「始末」をどうつけるつもりなのか?(プランがないとは言われている)。
だがトランプは「鎮圧・制圧」のための地上軍は送れない。去年6月に核施設(だけか?)破壊でやったように「外科的介入」だけですむと思っていたのだ(トランプもヘグゼスも戦争はシロウト)。地上軍派遣となれば、正真正銘の「戦争」であり、議会に諮る必要がある。議会を超えて「開戦」したということになれば、ただちに大統領越権の「弾劾」が始まることになるだろう(始まらなかったら、アメリカはトランプをアンタッチャブルな主人と認めたことになる)。
トランプにとっては国連も国際法も何ものでもない(だから国連安保理会合の議長にメラニアを送り込んだりする)。アメリカは「例外的」最強国なのだから、弱者のための国際法など守る必要もない(じっさいこの間、対ベネズエラ、対キューバでもそう振舞ってきた)。だがアメリカの「大統領」(職務)である以上、合州国の憲法や法律には従わなければならないのだ(憲法はそのためにある)。
アメリカでは宣戦布告の権利は議会にある。緊急だったとしてもすみやかに事後承認をえなければならない。わずか5日でこんな惨状(敵の指導部――つまり交渉相手――殲滅、イランの反撃で戦争周辺に拡大、エネルギー地帯で世界経済大混乱、そしてイランは踏みにじられる…)を生み出した「軍事行動」(交渉途中で不意打ち攻撃)を議会が認め、トランプの大統領としての行動を追認したら、そのときには世界は、アメリカが最大の「無法国家」とみなすだろう。そして国際法秩序・国連体制は事実上瓦解する。*逆にいえば、今、世界の安定のために国際法秩序を必要とし、支えようとしているのは事実上「非米・非西側」の国々なのだ。
だが最近、「トランプ関税」も「その権限なし」と連邦最高裁に判定され、トランプは経済的威圧のために他の手段を探らざるをえなくなった。この「戦争」に関しても、「越権」ないし「権限逸脱」で国家に損害を与えたということになれば、トランプは「弾劾」されることだろう(前の任期末での「議事堂乱入使嗾」に続いて)。ただ、そのときアメリカ国家が大統領の不法行為によってイランとイランの人びとに引き起こした「甚大な損害」に対し、どのような「保証」をできるのかはまた大問題だが、アメリカはそれを果たさなければ、金輪際「国際社会のリーダー」などとは言えなくなるだろう。
もちろん、今回の「イラン破壊作戦」が不正行為だったなどということは、イスラエルが(アメリカ議会にも)認めさせないだろう。アメリカが「海外派兵して戦争するなどバカバカしい浪費だ」と言っていた(そしてノーベル平和賞をよこせと言っていた)トランプを唆して、この「破壊作戦」をやらせたのはネタニヤフのイスラエルであって(証拠も挙がっている)、何としてでもイランを潰す(イランの存在自体が「存立危機事態」)というのは、けっして「ふつうの国」にはなれない選民国家イスラエルの執念だ。その要請をトランプはかわすことはできないだろう(「エプスタインの罠」も関係している)。
唯一のよき兆候は、アメリカ国際法学会の次期会長(4月就任)が、すでにベネズエラ・ハイテク軍事強盗・大統領拉致事件のときに、このトランプ政権の行為があからさまな国際法違反だと表明している。そしてこの2日には、同学会現会長が今回のイラン攻撃がはっきりと国際法違反だと表明したことである。アメリカ大統領の国際法違反(無視・蹂躙)を、国際社会(国連)は裁くことができない――強者の力が事実を作る(アメリカ例外主義)というのだから――が、トランプも合州国の法には従わねばならないのである(従わねばクーデターになる)。
・ついでに言っておけば、フランスのマクロン大統領はバカである。この事態を受けて(あるいはウクライナ問題も重ねて)、ヨーロッパの「抑止力」のためにフランスの核弾頭を増やすという。そして今度は地中海に原子力空母を派遣するという。
「抑止力」とは「核の脅し」で「敵」が攻撃を控えるという都合のよい妄想だが、そんなものに意味がないというのを示したのが「九・一一」だったし、ロシアもNATOの「抑止力」に挑戦してウクライナに侵攻した。相手の「核」を「使わせない」という想定の下で、やたらに戦費をつぎ込むだけが戦争国家の妄執である。だが、軍需産業というのは、人を殺し街や村を破壊してそれだけのために「消費」される製品作りであり、戦争がないと維持できない。そしてその製品は戦争で人間社会を消耗させるためにしか役立たないのだ。それが「役に立つ」と思わせ、人間社会の命運を無視して「経済システム」を「成長」させるという妄想を支えるのが「抑止力」理論だ。
フランスは、いま地中海に原子力空母を派遣して何になるのか?アメリカとイスラエルを「抑止する」つもりか?まさか、そんなことはありえない。だとしたらイランの混乱した「反撃」を制圧するためか?だったら初めからそう言えばいい。この先の中東利権確保のためだと(イギリスでさえ今度の米イの戦争には加わらないと言っているし、スペインははっきり米イの戦争への加担を拒否した)。
※アメリカにおいて宣戦布告の権利が議会(連邦議会)に属することは、アメリカ合衆国憲法 第1条 第8節(Article I, Section 8, Clause 11)で明確に規定されている。
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