フェイクな「ニッポンすごい!」の妄想の果て…2020/11/12

「民主主義」の議論もいいが…

近頃、どんなニュースに接しても、メディアの取り上げ方がまず「ニッポンすごい!」なのが茨の絨毯のようにザラつく。とくにNHKのキャスター(しかし他のメディアも基本は同じ)。

筆頭が『鬼滅の刃』。もちろん大ヒットしたのはいい。しかし、日本美徳の「自粛」の中の大ヒット、すぐに世界にも注目されて、「アニメ日本・オタク文化の世界トレンド入り」みたいな話になる。

今年はノーベル賞がとれなかったので(科学でも、恒例の村上春樹も)『鬼滅…』のブレイクはひとしおなのか。ノーベル賞報道は、どんな分野のどんな人が?ではなく、中身はどうでもいい「日本人が獲るか?」が興味の的である。日本人がいなければ「ガッカリ」で終わる。その裏にはまた、中国人や韓国人なんかに獲らせないといったオーラも出ている。ノーベル賞の「権威」(これがまた曲者だが)を奉り、それを「ニッポンすごい!」気分の機会にする。

ホンダが自動車の「自動運転レベル3」発表(自動車の自動運転ってどういう倒錯か、という話もあるが)。これも「世界初」。今では世界の企業ランキング50の後ろの方に国策企業トヨタしか入っていない日本(「失われた30年」)、自動車健在なんだの安心ニュース仕立て。

でも、自動運転はITビッグデータの世界だから、結局、巨大IT企業(GAFA)の生簀を広げるだけ。その中で日本企業は荷車製造「世界一」。
この機運を「そこのけそこのけお馬が通る」式に進める舞台装置が「2020東京オリンピック」。誰もが「オモテナシ(裏ばかり)」で「ニッポンすごい!」を言って当然、言わないとシカトの「自粛」圧力。

それに乗っての強権政治。法やルールは自分たちのために蔑ろ、「ニッポンすごい!」は彼らの意図(国を私物化する)の隠れ蓑。

「ワクチン競争」も同じ。今回ほど、「科学」が政治化されたことはない。まともな「科学」によれば、ワクチンは「全能の武器」ではない。毒をもって毒を制す、ということ。それを政治の武器にするが(トランプが筆頭、日本が追従)、目先の「国益」に囲い込まれた今の日本の「科学」では間に合わず、米系企業から買い漁り、値段吊り上げる。「科学者」製薬企業ほくほく。(デジタル化しようにも民営化=私物化された国策企業に任せるとボロばかり)

それにしかスガれない人たちは、嫌中・嫌韓ヘイトでその「強い国フェイク」を支えようとする。日本の「私物化」政治を世界の舞台で大胆にやってくれたのが「フェイク・トランプ」。だからまた、彼らが必死でトランプ・フェイク大統領を支えようとする。

これ、全部つながっている。日本のメディアは「ニッポンすごい!」のフェイクに乗るだけ(オリンピック協賛企業だから)。そうして、「不都合な真実」を「前に進める」(たとえば原発再稼働)で「亡国」の道まっしぐらの自民現権力支持(アメリカ・メディアのように、政府発表に「これは虚偽です」なんてテロップとてもつけられない)。五輪中止ならどうなる?

 「失われた30年」で「亡国の危機」という現実を見ないと、ほんとに「亡国」。その「亡国」の元は「美しい国」「ニッポンすごい!」妄想。それ自体フェイクだから。
 
 今日の朝日新聞社会部に「笑い声で消されたクリスマスの物語、命絶った中3のメモ」という記事があった。踏み込みの足りない記事だが、ネタは象徴的。
https://digital.asahi.com/articles/ASNCB6SVKNCBULOB00P.html?iref=pc_ss_date

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