『無理心中・日本の秋―飛んで火に入る夜の婿入り』絶賛上演中!2017/09/30

*FBに以下のコンメンを投稿したので、ここにも上げておきます。。

『無理心中・日本の秋―飛んで火に入る夜の婿入り』、主演・前原誠司、小池百合子、脇役・安倍晋三、特別出演・小沢一郎・小泉純一郎・細川護煕、他。

[あらすじ]
 時は2017年秋半ば、国権私物化疑惑の追及を逃れるにはこれしかないと、「窮地突破解散」を打った安倍政権末期の日本--
 勝ち目のない(と思った)戦さの陣頭に立つことになった野党第一党代表前原は、内容がないゆえにその立ち居振舞いで際立つ老獪な花魁、黒百合大夫に党ごと身を預けるという「捨て身」の奇策に出た。それも持参金を大きくし、博打に箔をつけるため党ごと差し出した。
 だが「捨て身」は信の通じる相手にしか効かない。これで黒百合の球根は膨れ上がり、安倍の仕掛けた「突破」戦を、横合いから攫って戦場に躍り出たが、それで「突破」されたのは城明け渡した前原民進だった。前原にはもはや打つ手はない。
 待っていたのは、民進城に居場所がなく、先に黒百合砦に走った不逞細野による首実検。細野は手ぐすね引いてリベラル臭のする落城者の首を切るしぐさ。事前に処断を宣告された嘗ての開城劇の張本人も、裏切り者の股はくぐらじ、と気概をみせて落ち延び宣言。
 かくて、城を託された者の「捨て身」の奇策劇は、選挙の争点をはぐらかして安倍に末期の余興を与えただけでなく、ブラックホールを広げ、日本政界からリベラル勢力を一掃しかねない惨劇「無理心中、日本の秋」に成り果てたのであった(花魁に托身成仏のつもりが、仲間道連れの無理心中になってしまった)。
 注)共産党はリベラル政党か?政策的には間違いなくリベラルだが、換骨奪胎してほしい。

[観劇の所感]
 これぞ「国難」!これを「突破」するためにはリベラル新党を作るしかないだろうが、まずは民進の分党を要求すべきだろう。開城を仲間の無理心中にしてしまっても、まだ息のある前原代表は、黒百合に食い尽くされる前に、末期の責任を果たすべき(ただし、これはあくまでシロートの観劇記です--楽屋裏は知らず、われわれは見ているしかない)。

[劇評の続き]
 全員合流するという話の前提が崩れているので、徒な「希望」に身を託したいものは行かせ、拒否する者(「希望」から締め出される者)は民進党公認で出られるようにすべきではないか(選挙を前に、新党よりこっちが先)。それができるようにするのが党員を預かる代表の責任。そうでなければ前原代表は、自分の博打で日本の政界からリベラル勢力を排除する「実行犯」になってしまう。
 寝耳に水でこういうアクロバットに振り回される地方の支持者や、地方選挙をどうするつもりなのか。どうみてもこの博打は失敗(やっぱりカジノは駄目)、まだ民進が自分で決められるうちに代表は救える者を救う手を打つべき。それしかこの芝居の収めはつかない。