「最初は悲劇、二度めは茶番」2017/06/16

※共謀罪成立前に書いた未定稿で、遅いと言えば遅いけれど、基本認識は変わらないので今日、ここに挙げておきます。
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 国会会期末が迫り、共謀罪法案採決をめぐって与野党の攻防が緊迫している。
 安倍政権は2014年末の秘密保護法以来、集団的自衛権をめぐって閣議決定による憲法解釈変更、安保関連法制、自衛隊の南スーダン派遣、そして共謀罪法案と、日本の国のあり方を変えるような政策を次々に採ってきた。これはいわゆる「戦後レジームからの脱却」という安倍政治の具体化だが、そこであからさまになってゆくのは、目指すのがたんに「戦争のできる国」というだけでなく、民主主義や国民の主権を解消し、国家権力の圧倒的優位を確立する方策だということである。
 
 しかしそれだけではない。「最初は悲劇、二度めは茶番」だと言うが、まさに大日本帝国は破綻、無条件降伏で国民は多大な犠牲を強いられた。しかしいま強引に準備されている「二度め」は、明治以来の国家体制の形成ではなく、国民が権力にかしづく体制づくりによって、その国権を私物化する連中が初めから馬脚を現しているという事態である。
 
 森友学園、加計学園問題で露わになったのはそのことである。安倍政権は、自分の姿勢に共鳴しその名を冠した神道小学校を作ろうとした森友学園が、財務省から9億円相当の国有地をタダ同然で払下げを受けられるよう、また異例の認可が受けられるよう計らった。またアベノミクスの目玉とされた「経済特区」制度によって、「岩盤規制をドリルでこじ開け」て、地元自治体を巻き込んで「刎頸の友」(じつは親族)に合理性も展望もない「獣医学部」を新設させ、そこに数十億円の公費を流し込む算段を、文科省・総務省を巻き込んで工作した。そればかりか新たな疑惑も持ち上がっている。政権・首相官邸は白を切るが、加計学園には官邸出入りの人物やその家族が役職者に名を連ねており、これが仲間内の利益供与であることは明らかである。
 
 そればかりか、安倍よいしょ本を出版しようとしていた元TBSワシントン支局長が起こした準強姦事件を、官邸につながりのある警察官僚を使って「上から」逮捕状を取消し、不起訴処分にしたことも、被害者の告発で明らかになった。また、その警察官僚は、2年前TBSの報道番組コメンテーターが外されたとき、TBSに圧力をかけたのと同一人物であることも判明した。
 
 また、前文科次官前川氏の発言から、政府のさまざまな有識者会議から、官邸が意向に沿わない人物を外していることも明らかになった。そのうえ、政府は内部告発者を探して処分しようとしている(そう言ったのが、何と北星余市出身を売り物にして自民議員になった義家某だが、彼も雑巾がけをさせられているのかもしれない)。いま、官僚は国家・国民のために仕事をするのか、安倍の走狗となるのかが迫られている。
 
 この間に明らかになったのは、国民の国家への服従と献身を求める安倍のようなウヨク政治家が理想としているのは、国家権力が強化され、その権力を私物化して自分の妄想に国民を従わせる、そして仲間内で自由に国を引きまわせる、そんな体制だということだ。そんな体制に人びとがひれ伏す国を、無私の国民の「美しい国」と言っているわけだ。言いかえれば、日本ではウヨク国体思想とは、国家を私物化したい連中の隠れ蓑にすぎないということだ。これが「二度めは茶番」の茶番たるゆえんだ。
 
 北朝鮮の危機は現実ではないか?中国の脅威は?
 冗談はよしてほしい。北朝鮮は弱小国。それにミサイル見せつけるのはひたすらアメリカ向け。そして北朝鮮問題の直の当事国は韓国だ。朝鮮半島は日本の敗戦による「復光」の直後、始まった冷戦の煽りで約七〇年前に南北に別れて同じ民族同士が数百万の犠牲を出して戦い合ったのだ。そして分断されたまま、今でも分離線は挟んで対峙している。その両当事国を置いて話は進まないはずなのに、北朝鮮は世界の親玉アメリカに存在を認められずには存続できない。だから核武装国家になろうとする。そして存続が究極目的だから、暴発はできない。それが基本状況だ。

 日本など眼中にない。相手をしている余裕はない。ひたすらアメリカとの直接交渉を求めている(相手がトランプならチャンスがある。トランプも同じような手法の親玉だからだ)。だからミサイルが飛んでも韓国は騒がない。危険なのは暴発だが、それを防ぐには交渉しかないことを、韓国は十分わかっているからだ。北の暴発でまた何百万の犠牲を出し、何百万の難民を受け容れなければならないのは韓国だから。

 それなのに、安倍は国内向けに「北朝鮮危機」をひたすら煽る。国の軍事化に使えるからだ。安倍は拉致被害者のことなどもうまったく考えていない。国内に北朝鮮危険の世論を作ることに成功したから、もうどうでもいいのだ。実際、安倍政権ではこの問題は一歩も進んでいない。

 教育勅語を学校で教えて、国民に臣従を植え付け、このIT・サイバー戦争の時代に銃剣道でトツゲキ精神を教え、ミサイル攻撃に備えて防空頭巾の避難訓練をさせ、韓国が騒ぎ過ぎと苦言を言う中で東京の地下鉄を止めて「危ない」と思わせる。それが今の政権の「戦時」認識なのだ。そのくせ、NHKが「忖度」で北朝鮮ミサイル大騒ぎのキャンペーンをはっている間、当人は疑獄渦中の夫人同伴でGWの海外遊行。ばかばかしいにもほどがある。

 中国についてはまたにしよう。

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