緊急事態宣言などいらない!2020/04/02

 なぜ皆(メディアも含めて)緊急事態宣言を出せと言うのか。緊急事態宣言というのは、基本的に行政権限を強化することだ。まともな政権で、まともな官僚機構、専門家集団がいればそれもいいだろう。しかし、「大胆に前例のない迅速な処置」が「各世帯に洗って使える布マスク2枚」とか「現金配るとため込むから和牛券」とかいう政権だ。それに官僚機構もすっかり「自発的隷従」で出世する公僕ならざる私僕の蟻塚と化している(森友・加計、桜を見る会、無理やり検事総長、法の根本崩しを役職と思っている法相)。こんな行政府の権限を強化してもロクなことはせず、バカな強権を無理やり振り回すだけだろう。それこそがわれわれの「緊急事態」だ。
 
 医者団体(政府の専門家)がはやく緊急事態宣言を出してほしいというのは、東京都ですらコロナ肺炎に対応できる病床が120床あるかどうかという貧弱な医療体制で(このところずっと医療は効率化と採算性を求められてきたし、長期的ベッド削減の方針を政府は変えていない)、すぐに感染拡大に追いつかなくなることが、つまり「医療崩壊」が目に見えているからだろう。だが、それが緊急事態宣言で解決できるわけではない。医者団体としては、医療がフォーローできない申し訳が立つだけだ。それは今までアベ自民党政権の保険医療サービス削減の方針に就き従ってきたつけだということだ。
 
 ほんとうに感染拡大の危機が迫っているというのなら、いまやるべきことははっきりしている。検査体制の拡充と、医療設備態勢の整備、中国は一週間で4000床の病院を作った。日本なら被災経験からプレハブ病棟一気に作ればよい。場所は国立競技場とか東京スタジアムとか代々木公園とか(その補償は後でする)。あるいは東京都(首都圏)ならすでに話が出ているようにオリンピック選手村を活用すればいい。それと医療関係者の特別配置・急場しのぎの援軍組織だ。それに特別法がいるのなら2、3日で国会通せばよい。決めたらすぐ準備してやれば、緊急事態宣言でモタモタしているよりもいい。

 後は、法的根拠なんかなくてもアベが思いつきで「学校閉鎖」とか言えば従うお国柄だ。「自粛を要請する」と言うだけで、街から人が引くお国柄だ。緊急事態宣言などいらない。ただし、「自粛」で多くの人たちに「困窮せよ」と言っているわけだから、協力する者たちにはきちっと補償をしなければならない。まともな国の政府は緊急事態宣言を出したら必ずそれをやっている。

 ともかく安倍政権などに緊急事態宣言をやらせてはならない。市民がみずから身を守るために政権に要求を重ねなければならないのだ。

[追記]

 四月初っぱなの状況をみていると、どうやら「爆発的感染」が始まりそうだ。阪神選手団集団感染、志村けん、その他著名人やメディア関係者、夜に出歩くなと言われても気にしない連中は多いようだし、歓楽街やカラオケも、干上がってしまうから営業やめられない。小さい街の店だけは悲惨。朝も夜も駅の人ごみは多少軽くなってもすごい。こっちは誰もが働きに行かざるを得ないからだ。子を持つ親たち(とくにシングルマザー)は学校次第で4月から板挟み、ますます困るだろう。

 だがそれは、緊急事態宣言では解決されない。政府がまず、皆が感染抑止に努められるような対策を何ひとつしていないことが問題だ。「外出自粛」を要請と言うなら(「自粛を要請」と言う言い方が日本の行政当局の高圧無責任ぶり――民主主義感覚ではなくお上意識と言っていい――を表しているが)、人びとが家にいられる状況を用意し、収入がなくなるワーカーたちや中小企業、困る商業施設等への手当てもいっしょにすべきだ。それでなければ、従いたくても従えない。(予算がないとは言わせない。今年度予算は修正なしで無理やり通している。株価吊り上げるために日銀はバンバン札束刷ってきた。安全保障とか言って不要な兵器はごまんと買っている。)

 それに、情報があいまいだから真に受けられない。医療対応、態勢もそうだろう。ともかく「爆発」の危険があるなら、それを誰もが納得できる(真剣に受け取る)ように情報提供しなければならない。何より、検査体制を拡充しなければならない。できるだけ検査してこれだけ広がっていると示さなければ、一般の人びとが適切に警戒・対処することができない。たいしたことない、と誰もが都合に合わせて解釈する。

 一方で、ずっと感染者数を抑えようとし(オリンピック実施のため?)、五輪延期で一気に増え始めたとはいえ、諸外国に比べれば「奇跡的」に少ない。外国ではとっとと検査しているのに、東京都の検査数は一日百単位。医療は「世界トップレベル」とか宣伝する日本で、三カ月経つのにいまだこれというのはあまりにおかしい。ここからしておかしい。まったく、後でやばいからもう記録も残さないという、近代行政の足元を崩している今の政権のやり方と通じている。だから、医師会が「危険だ、危険だ」と言っても、フランスやアメリカほどではないじゃないか、と説得力がない。医師会もこの間何年も政権の保険医療削減政策に乗ってきたわけだし…。

だから、医師会がほんとうに危機的だとみなしているなら、いま検査できているのはこれだけ、そこから推定すると実際の感染者はすでにその数十倍と見られる、とはっきり公表すれば、その「危機感」に現実味が出る。そうなっていないから、一般の人びとはそこまで「危機感」をもてないのだ。その上で、今は強制措置が必要だと言うのなら説得力もあるが、政府がノラリクラリしており、医師会もそれを明確に批判しないから、緊急事態宣言を…とか言っても、責任逃れするな、と言われることになる。はっきり政権を脅して、すぐにでも臨時病棟を作らせ、緊急医療態勢整備(当然、医療政策撤回と予算措置も)を政府に要求する、それが医師会のまず先にやるべきことだろう。国民負担の緊急事態宣言だけを要求というのはお門違いだ。

 野党は、ほんとうに政権担当能力を示そうと思うなら、一体となってドイツのメルケル首相のような声明を出し、上記のような要求を政府に突きつけて、そのためには「国難打開」のために協力する、と大々的に宣伝して政権に圧力をかければいい。残念なことに、今の野党にこのようなイニシアチブを取れるのは共産党しかいないのだが、その共産党を立民・国民周辺はまだ排除している。先回の民主党政権の失敗から、野党政治家は何も学んでこなかったと言わざるをえない。だからわれわれは野党を頼むこともできない。それが現代日本の政治の惨状だ。

 だとすると、市民あるいは民衆はしょうもない政治的状況の中で、野武士のように、あるいは草莽の志士たちのように、この政治の惨状とパンデミックとからみずからを守る「民衆防衛」をやるしかない。たぶん、大津波の中の自助・共助のようなことになるだろう。何人かの信頼できる医師たちの見解をベースに現状を把握し、上記のような要求を強く出してゆくこと、そして自助・共助のシステム化を実践的に作りつつ、その法制化も目ざしてゆくこと(そのひとつが労働者協同組合法だが)等々だ。少なくとも、現政権の下での緊急事態宣言ではなく、われわれの「緊急事態」に対するわれわれ自身の対処だ。

[追伸]

 「各世帯マスク二枚配布」という世にも大胆な対策ではっきりわかったのは、コロナウイルス禍に対処するのは安倍政権ではムリだということ。「私が総理大臣…」しか考えていない、考えられない。それで、「自発的隷従」官僚もヤケのヤンパチになっているのでは? とにかくもう無理。しかしなぜこれでも退陣させられないのか???

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